2009事務所ニュース

   
 
このページでは、最近の弁護士法人阪南合同法律事務所が発行した事務所ニュースの記事を紹介させて頂きます。
 
 
 
2009事務所ニュース
 
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『人生を預けます』
 永らく弁護士をしていると、胸に響くことを言われることがあります。
 
 2006年8月、4歳前の実の女児の陰部に、手指を挿入して、処女膜裂傷の傷害を負わせたという疑いで、50歳台の父親が逮捕され、留置場で約1年7ヶ月拘束されたままでしたが、2008年3月に、無罪の判決が出ました。
 
 その父親は、私たち弁護人(私と十川弁護士)が面会する度に、自分の可愛いい子供に、わいせつな行為を行ったなどという疑いを晴らして欲しいという必死の思いで、「人生を預けます」と繰り返し訴えてこられたのです。
 
 私は、無罪判決が出るまで、この言葉がこびりつき、忘れることがありませんでした。というのも、日本では、起訴されると100%近くが有罪とされ、無罪判決を勝ちとるのは至難だからです。その現実のなかで、この父親が無罪を勝ちとれたのは、捜査官に対し、抗議の意思をこめ、供述調書をとらせなかったこと、4才前の幼児の供述、その供述を聞いたという関係者の供述に、信用性を置けるかという疑問でした。
 
 私たち弁護士に対し、言葉に出されなくとも、依頼者の方が、「人生を預ける」思いでいらっしゃることは、承知していますが、今回、そのことを再認識させられました。
 
 裁判は、無罪判決以外の有罪部分を争い、継続中です。
 
弁護士 西本 徹
 
 
戦争における「人殺し」の心理学(ちくま学芸文庫)
 この本の著者は、アメリカ南北戦争の戦場でマスケット銃が多数回収された際、ほとんどの銃で弾丸が発砲されていなかったという。戦場の兵士は、自分を殺そうとしているはずの敵に向かって、引き金を引くことができなかったのである。
 
 第二次世界大戦においても、兵士のうち、発砲したのは、100人のうち、15人しかいなかったらしい。第二次世界大戦以前の兵士の発砲率はたったの2割で、8割方は発砲していないか発砲しても威嚇のみであったらしい。
 
 ところが、発砲しない兵士も、伝令や、仲間の兵を助けるためには、より危険な行為、塹壕を飛び出して行ったりする行為をしたらしい。などなど、興味深い話が続き、人間は、同類の人を殺すようには出来ていないことを改めて思い知らされます。
 
 ところが、ベトナム戦争では発砲率が90%に上がったとのこと。アメリカ軍がどのようにして兵士の発砲率を上げたのか、この本は綴っている。しかし、見えてくるのは、人を殺して、その後長く苦しみ続ける兵士の姿であり、語る言葉を失うほどである。
 
 この本は、アメリカの軍事学校の教科書で、兵士を戦場で戦わすための本であるので、一歩誤れば危険な本ですが、読む価値はおおいにあると思います。
 
弁護士 岡本一治
 
 
飛翔館高校整理解雇事件のご支援を
 いま、少子化や私学助成の削減等で、多くの私立高校の経営が大変になっていますが、飛翔館高校の5名の先生たちが、整理解雇無効の裁判を提起しています。
 
 飛翔館高校、泉州高校といえば、岸和田市で唯一の私立の高等学校です。野球部が2度甲子園に出場するなどしたことでも知られています。学園は、生徒数の減少を「進学校」「人件費削減」で乗り切ろうとし、その結果、すぐれた人材を次々と失い、学園の教育力や魅力を大幅に低下させてきました。そして、生徒数の減少による財政悪化を理由に、希望退職に応じて11名の先生が退職することになっていたのに、更に7名もの先生の整理解雇を強行したのです。その結果、教育の現場に大きな混乱が生じています。
 
 整理解雇は、事業の不振等の労働者には特に帰責事由のない経営側の事情によってなされるもので、その解雇がその労働者に与える影響は重大です。それゆえ、判例上、整理解雇の4要件というのが確立されていますが、今回の整理解雇は、この4要件を満たしているとは思えません。
 
 先生たちは、どの先生も、生徒さんと正面から向き合ってきた、すばらしい先生たちばかりです。裁判の度に、卒業生や保護者などの方も支援に駆けつけてくれています。一日も早く、解雇無効の裁判を勝ち取り、先生たちの職場復帰を実現したいと思います。なお、事務所から、十川、下迫田弁護士と私が弁護団に参加しています。
 
弁護士 山﨑国満
 
 
社会保障費削減と消費税増税を許すな
 小泉首相の時代から、社会保障費抑制が推し進められ、2002年度の3000億円の自然増分の抑制から始まり、2003年度から毎年2200億円が抑制されてきました。
 
 医療・介護・障害者自立支援・生活保護など、あらゆる分野で制度改悪が図られ、国民生活全体を見ても、絶対的貧困は目に見えて進みました。
 
 少子高齢化が進み、現役世代の負担が増えるから効率化(削減)するということです(社会保障国民会議中間報告より)。全く本末転倒です。大企業や米軍優先の税制を改め、国が率先して、みんなで支え合える社会を作らないといけないのに、それを棚に上げ、お国のために耐えろ、というのは到底「生存権の保障」とほど遠いものです。
 
 麻生総理は早速「消費税増税」を言い出しました。社会保障国民会議も案の定、消費税増税の方針を示しました。しかし、消費税が導入され、97年には5%に増税され、国民生活には何もいいことがなかったのは実証されています。
 
 国民の命と暮らしを守らない政治家はいりません。
 
 これ以上の社会保障削減と消費税増税を許してはなりません。
 
弁護士 半田みどり
 
 
2人目の子を出産しました
 2008年8月9日に、2人目の子を出産しました。3830グラムの男の子です。1人目は女の子で、現在2才。2人の子育てで、あっという間に過ぎていく毎日です。
 
 子どもを連れて歩いていると、駅の階段でベビーカーの上げ下ろしを手伝って下さるサラリーマンの方がいたり、スーパーに行けば、商品を袋に入れてくれて、カゴを片付けて下さる方がいたり。お散歩中に「あら、かわいいわねぇ。」と声をかけてもらうこともしばしばあります。子育てでぐったり疲れても、そんな優しさに出会うたびに、「社会はまだまだ温かい人がたくさんいるんだなぁ。」と思って、うれしくなる私です。
 
 最後になりましたが、出産にあたり、ご迷惑をおかけしたにもかかわらず、優しい言葉で支えて下さった皆様に、感謝の気持ちを伝えたいです。ありがとうございました。
 
弁護士 小瀧悦子
 
 
国連(ジュネーブ)傍聴旅行
 2008年10月、ジュネーブの国連人権委員会で、日本の人権状況について日本政府の報告がありました。私は、NGOの一員として、傍聴旅行に参加しました。布川事件(強盗殺人冤罪事件)の再審請求人の櫻井昌司さん、公職選挙法違反を憲法違反だとして争った大石忠昭さんら、たくさんの訴訟当事者が参加しました。
 
 様々な国籍の15名の人権委員は、男女不平等、刑事制度、死刑制度、独立の人権救済機関がないこと等に関心を持っており、日本政府が何年も改善しないことについて厳しい質問をしました。
 
 私は、特に、日本の刑事制度を改善しなければならないと思い参加したのですが、人権委員は、自白の強要につながる日本の代用監獄制度、弁護士の立ち会いのない取調べ等を厳しく批判しました。台湾、韓国などでは、弁護士立ち会いの取調べが始まっており、日本は大変遅れているのです。
 
 今回の旅行では、傍聴だけでなく参加者が一緒にフランス、スイス、イタリアを観光しました。ヨーロッパは紅葉の季節で大変美しく、観光しながら訴訟当事者の貴重な体験を聞くことができ、私にとって、かけがえのない旅行となりました。
 
弁護士 十川由紀子
 
 
よろしくお願い致します
 1年4ヶ月の司法修習を終え、2008年9月に入所いたしました下迫田浩司です。兵庫県出身で、大学卒業後、ヘブライ語講師・市役所職員を経て、弁護士になりました。
 
 さて、10月に、国連の人権委員会(Human Rights Committee)でロビー活動等を行うためにジュネーヴに行ってきたことを報告します。
 
 10月中旬に、市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「規約」という。)40条に基づき、人権委員会が日本国の提出する報告を検討するための会期が開かれました。その直前に、人権委員会の委員の方々とNGOとのミーティングが2時間だけ設けられましたが、私はそのうち3分間だけ枠を与えていただき、大分選挙弾圧大石市議事件の大石忠昭さんの代弁者として、英語でスピーチしました。選挙ビラを支援者に配っただけで、21日間も逮捕・勾留され、起訴され、公職選挙法違反で有罪とされたことを説明し、人権委員会から日本国に対し日本の公職選挙法は規約に違反するものであり直ちに改訂されるべきであるという勧告を出してほしいとお願いしました(また、立食会等でも、委員を見つけてはロビー活動を行いました。)。
 
 結局、国連の人権委員会は、それに近い勧告を出してくれたので、私のスピーチも少しは役に立ったのかも知れません。
 
 これからも色々な活動を頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
弁護士 下迫田浩司
 
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