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2013年事務所ニュース

このページでは、最近の弁護士法人阪南合同法律事務所が発行した事務所ニュースの記事を紹介させて頂きます。
2013年度 事務所ニュース
2013事務所ニュース

保育所民営化

 私は、2歳の息子を高石市の公立保育所に預けています。高石市は、平成24年5月末、息子の通う保育所の民営化を発表しました。高石市長は、保護者に対する説明会で、保育所の建物を耐震化する必要があり、耐震化するためには、民営化して建物を建て替えなければなければならないと説明しました。しかし、保護者の調査で、耐震化の必要な建物は半分で、建て替えなくても公立のまま耐震補強できることが明らかになりました。
 また、民営化すると一般的に財政削減効果があると言われますが、高石市は、どの程度削減効果があるのか試算していないと言い、きちんと説明をしません。
 同年8月、保護者に十分な説明がないまま、新しい保育園事業者を選ぶ、選考委員会(大学教授、保護者等8名で構成)が開催されました。私も保護者の立場で選考委員となりました。
 しかし、同年9月、選考委員会は、地方自治法によると議会の条例で設置しなければならないにもかかわらず、要綱で設置されており違法であることが判明しました。大阪府は選考委員会のような違法な201の委員会、審議会を全て休止させましたが、高石市は、選考委員会を強行に開催しようとするので、保護者を中心とする住民(合計285人)が住民監査請求をし、主要新聞4紙が取り上げました。
 その結果、同年10月、選考委員会の判断で、選考委員会は休止となり、高石市の暴走を食い止めることができました。
 その後、高石市は、他の委員会、審議会は放置したまま、保育所の選考委員会のみを条例化し、民営化を強引に進めようとしています。選考委員も、保護者2名以外は、市長の息のかかった者が選ばれており、無茶苦茶な議事進行がなされています。
 高石市の人口が減っているのも、高石市が子どもに冷たい政策をとっているからだと思います。高石市長には、保護者、住民の意見を取り入れ、長期的な視野で子どものための政治をして欲しいと思います。
 
弁護士 十川由紀子

母子家庭の貧困の原因

 私は、大阪弁護士会の貧困・生活再建問題対策本部の委員を務めるとともに、女性と子どもの貧困部会の委員を務めています。
 日本の母子家庭は、極めて厳しい生活状況に置かれています。厚生労働省の2011年度全国母子世帯等調査によれば、母子世帯の平均就労収入は年181万円しかありません。
 離別母子世帯の場合、十分な額の養育費をきちんと支払ってもらえれば生活の厳しさが緩和されるという問題意識のもとに、上記部会は、2012年11月17日、大阪弁護士会館でシンポジウム「養育費のあり方を考える」を開催し、私は、現在の日本における養育費を巡る問題点について報告しました。養育費の取決めをしなくても簡単に離婚ができてしまう制度の問題や、養育費支払確保の制度が十分でないという問題もありますが、今回は、裁判所で用いられている養育費算定方式によれば養育費の金額が低くなりすぎるという問題を中心に報告しました。「総収入」から、養育費算定のための「基礎収入」を算出するときに、「公租公課」「職業費」「特別経費」という名目で一律に58%~66%もの割合を控除する(差し引く)ことが、一番の問題点だと考えます。
 ただ、私は、母子家庭の貧困問題の根本的な原因は、①賃金と②社会保障の問題にあると思います。
 ①賃金について。日本では先進諸国の中でも飛び抜けて大きな男女間賃金格差がありますが、母子世帯の母親は女性全体の平均賃金よりもさらに低い収入しか得ていません。同じ仕事に対して同じ賃金が支払われる社会(同一価値労働同一賃金)を実現したいところです。
 ②社会保障について。日本では、あまりにも社会保障が乏しいため、子育てにお金が大変かかります。少なくとも、すべての子どもが等しく教育を受ける機会を得られるように、教育にかかる費用をすべて無償にすべきと考えます。
 
弁護士 下迫田浩司

人質司法の実態

 みなさん、こんにちは。弁護士の南部秀一郎です。昨年の事務所ニュースでは入所のあいさつを書かせていただきました。既に、そこから1年。あっという間で驚きます。
 さて、この1年間、私が一番時間をかけて取り組んだと言えるのは、刑事事件です。刑事に向かないと独りごちながら、書面を書き、様々な方々と交渉をするなどあれやこれややらせていただきました。そんなあれやこれやの中で、刑事弁護士が一番時間をかけること、それは、被疑者・被告人との接見です。
 去年世間の話題になった事件に、他人のパソコンを遠隔操作し、犯行予告を行ったという事件があります。この事件では、なりすましの被害者の一人の少年が、やってもいない犯行予告を自白したと報道されました。やっていないのに自白するというのはにわかに信じられないことかもしれません。しかし、実際に警察に逮捕され、留置場に長い期間勾留されるということは、本当につらい状況なのです。狭いところに知らない人が一緒に入れられ、プライバシーの全くない状態。会社・学校にも行けず、面会は(弁護士以外は)1日1回。実際、私が1年間でお会いした方々も、子供に会えなくて毎日涙を流すお母さん、再犯で家族すらも面会に来てくれなくなってしまった男性、せっかく決まった仕事ばかりが気になる人と、それぞれがつらい思いを打ち明けてくれました。世間から見捨てられた感覚でしょう。こんなつらい状況では、つい話をできる人に応じてしまうのです。その人が警察官だったらウソの自白につながります。
 警察が必要以上に被疑者を逮捕し、自分たちに有利な状況で捜査を行うことは、「人質司法」と呼ばれ、冤罪の温床となっています。しかして、その実態は、被疑者を孤独な状況に追い込んで精神的苦痛を与えることなのです。弁護士になった最初の1年に十分この苦痛について、私は被疑者の話を聞く機会を持ち、実感としてそのつらさを知りました。警察・検察・裁判官、刑事司法に携わる人たちみんなが、そのつらさを実感して欲しいものです。
 
弁護士 南部秀一郎
弁護士法人
阪南合同法律事務所
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TEL:072-438-7734
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