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相続に関する法律が変わります

2018年7月に、相続法制の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と、法務局において遺言書を保管するサービスを行うこと等を内容とする「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立し、相続に関するルールが大きく変わります。
 
平成31 年(2019年 )1月13日から段階的に施行

配偶者居住権

配偶者居住権
思い出のつまった家で過ごしたいですよね
 2018年に相続に関する法律の改正や新しい法律の成立により、相続におけるルールが大きく変わりました。その中の一つである「配偶者居住権」の新設について、ご紹介します。
 
配偶者居住権とは
 例えば夫婦で暮らしている自宅の名義が夫のほうで、その夫が死亡した場合を考えてみましょう。妻は住み慣れた自宅で今後も暮らし続けたいと考えているとします。誰からも文句を言われず老後も安心して自宅で暮らしていくためには、今までであれば自宅を妻が相続しておく必要がありました。しかし不動産というのは高価な財産ですから、もし妻が不動産である自宅を相続すると、その他の遺産(現金・預貯金・有価証券等)は多く相続できないことになりかねません。場合によっては、現金・預貯金を一切相続できないと言う場合もあり得ます。自宅を確保するために、老後の生活の為の預貯金は諦めるか、老後の生活の為の預貯金を確保するために、住み慣れた自宅を処分するかの選択を迫られる場合も今までの制度ではありました。
 今回の改正では、新たに「配偶者居住権」という権利を新たに認めて、自宅について例えば息子が相続をするが、妻が亡くなるまで(又は一定期間)、自宅に住み続ける権利が認められることとなったのです(息子が相続する自宅の所有権は、母親がすむことを認めるという負担付き所有権ということになります)。
 
具体例で説明します
 例えば、遺産が自宅(評価額2000万円)と預貯金3000万円であって、相続人が妻と息子1人の場合。遺産の総額は5000万円で、妻と子が2500万円ずつ相続するのですから、従来の制度で妻が家の所有権を相続する場合、妻は預貯金を500万円しか相続できないと言うこととなります。
 しかし配偶者居住権が認められると、自宅の評価額2000万円のうち、配偶者居住権の価値が仮に1000万円だとすると、妻は自己の相続分の残り1500万円の預貯金を相続できることになり、子は、母親が死亡するまでは母親に住まわせ続けなければならないものの、自宅の所有権を取得し、預貯金も1500万円を相続できることとなるわけです。
配偶者居住権で注意すべきこと
 配偶者居住権は、配偶者に特別に求められたものですので、この権利を第三者に譲渡することはできません。また所有者はあくまでも、上記の場合は子どもですので、所有者の同意無く、改築増築はできません。また固定資産税は所有者である子どもが支払う義務がありますが、改正法では「配偶者は居住建物の通常の必要費を負担する」(1034条1項)とありますので、所有者は配偶者に対し(息子が母親に対して)「通常の必要費」として固定資産税の負担を求めることになると考えられます。
 
いつから配偶者控除権は認められるか
 この新たな制度は2020年4月1日施行です。2020年4月1日以降の相続に適用されます(つまり2020年3月31日以前にお亡くなりの場合は適用されません)。また、2020年4月1日以降に作成される遺言書で、配偶者居住権を記載することが可能になります。
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